土用の丑の日にウナギを食べて夏を乗り切る いつから風習?2024年はいつ?

日常生活の疑問

夏になると、スーパーマーケットの店頭には「土用の丑の日」のキャッチコピーと共にウナギが並び、日本中でウナギを食べる風習が見られます。

東京だけでもウナギ料理店が900軒もあるくらい、日本人はウナギが大好きです。しかし、そもそも土用の丑の日とは何の日で、なぜこの日にウナギを食べるのでしょうか?

今回はその疑問に答えるべく、土用の丑の日について詳しく紹介します。

土用の丑の日とは

まず、「土用」という言葉は、立夏・立秋・立冬・立春の直前の約18日間の期間を示す言葉です。

そして、昔の暦では日にちを十二支(子・丑・寅・卯…)で数えていました。つまり、土用の丑の日とは、土用の期間に訪れる丑の日を指しているのです。

土用は毎年違うため、土用の丑の日も毎年変わります。さらに、土用の丑の日といえば夏のイメージが強いかもしれませんが、実は立夏・立秋・立冬・立春それぞれに土用があります。

いずれにしても、土用の丑の日は「季節の変わり目」といえます。ちなみに、土用の丑の日と土曜日とは関係がありません。

土用の丑の日にウナギを食べる意味

土用の丑の日にウナギを食べる習慣は、体調を崩しやすい季節の変わり目に栄養をしっかり摂るための合理的な考えから来ています。

ウナギにはビタミンAやビタミンB群など、疲労回復や食欲増進に効果的な成分が多く含まれています。そのため、夏バテ防止にはピッタリの食材と言えるでしょう。

土用の丑の日、誰が決めた?

ウナギを食べる習慣が一般にも広まったのは1700年代後半の江戸時代です。

一説によれば、夏に売り上げが落ちると鰻屋から相談を受けた蘭学者の平賀源内が、店先に「本日丑の日 土用の丑の日うなぎの日 食すれば夏負けすることなし」という看板を立てたところ大繁盛したことで、ほかのウナギ屋もマネするようになったといいます。

この「本日丑の日」は、日本初のコピーライティングともいわれています。

ウナギ以外の食材も良し

ウナギ以外にも「う」のつく食べ物が良いとされています。

「丑の日」の「う」にちなんで、うどん・ウリ・梅干し・ウサギ・馬肉(ウマ)・牛肉(ウシ)などが挙げられます。いずれも栄養価が高く、食欲がなくても食べやすい食材です。

例えば、うどんは消化が良く、食欲が減退しているときにも食べやすい食材です。冷やしうどんなど食べ方が選べるので、暑い季節にはぴったりです。
また、梅干しの酸味にはクエン酸が含まれており、唾液や胃液の分泌を促進し、消化の手助けをするため食欲増進につながります。

食べ物以外の風習

食べ物以外にも、土用の丑の日にまつわる風習があります。

例えば、「きゅうり加持」という行事があります。これは、弘法大師空海が広めたとされるもので、きゅうりの中に自分の病気や災いを封じ込めて土の中に埋めることで、健康を祈願するものです。

また、「土用の虫干し」という風習もあります。これは、梅雨の時期に溜まった湿気を取るために、衣類や履き物、本に風を当てて乾燥させる習慣です。

夏の土用は梅雨明けと重なるため、害虫やカビなどから衣類や本を守るために、ぜひ晴れた日に陰干しをするのがおすすめです。

土用の丑の日のウナギの歴史

ウナギを食べる習慣は、奈良時代にはすでに存在していたと考えられます。万葉集には大伴家持が「夏痩せにはウナギを食べると良い」と詠んだ歌があります。
これにより、古くから夏にウナギを食べることで栄養を補給し、体調を整える風習があったことがわかります。

江戸時代に入ると、平賀源内のアドバイスにより、土用の丑の日にウナギを食べる習慣が広まりました。
もともとウナギは秋から冬が旬の食材であったため、夏には売れないことが多かったのですが、土用の丑の日にウナギを食べるという宣伝が功を奏し、夏の風物詩として定着しました。

今年の土用の丑の日

今年の夏の土用の丑の日は、2024年7月24日(水)と8月5日(月)の2回です。

毎年夏にスーパーに行くと「土用の丑の日」ののぼりが立っていたり、ウナギが陳列されているのを見かけたりします。

土用の丑の日といえば、ウナギを食べて元気を出す日のことだろうとわかっていても、その由来について知っている人は少ないかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は土用の丑の日の起源やウナギを食べる理由について詳しく紹介しました。

土用の丑の日にウナギを食べるという風習は、季節の変わり目に栄養をしっかり摂るための合理的な考えから来ています。また、江戸時代に平賀源内がウナギ屋の売り上げを伸ばすために考案した宣伝がきっかけで、今日まで続く風習となりました。

今年の夏も土用の丑の日にウナギを食べて、元気に夏を乗り切りましょう。

スーパーやデパートでウナギを購入するのも良いですし、インターネットで取り寄せて自宅で楽しむのもおすすめです。
また、ウナギ以外にも「う」のつく食べ物を食べて、健康を願いながら土用の丑の日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

今年の夏の土用の丑の日は7月24日と8月5日の2回です。この機会に、土用の丑の日の意味や由来を改めて知り、美味しいウナギやその他の「う」のつく食べ物を楽しんでください。

夏バテを防ぎ、元気に過ごすための工夫を取り入れて、健康な夏をお迎えください。

土用の丑の日は、古くからの知恵と現代の楽しみが融合した、日本の季節を彩る特別な日です。
今年もこの伝統を楽しみながら、元気に夏を乗り切りましょう。

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